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社長ブログ

「基礎の劣化と外断熱の力」

2025.11.08

「基礎の劣化と外断熱の力」
―― 北海道大学 名誉教授 新谷 登 先生の研究より ――

おはようございます、小嶋です。
現在、弊社ではSNSの発信に若い世代が力を注いでいます。
メディアの方やユーチューバーの方とお話しする機会も増え、おしゃべりが得意ではない私には少々苦行となっています(笑)。

皆さんから「良質な家の根拠」について尋ねられることが多いのですが、最近はブログの更新も忙しさにかまけて少し滞っておりました。そこで今日から少しずつ、私たちが考える“良質な家の根拠”についてお話ししていきたいと思います。

まずは、家の基礎についてです。


10年ぐらい前にブログに記載させて頂いた、北海道大学 名誉教授 新谷 登先生の研究について再度お伝えしたいと思います。

コンクリートの基礎部分は「毎年約0.2mmずつ中性化が進む」とされ、一般的には約50年程度が耐久限界と考えられてきました。この中性化の要因には酸性雨の影響も大きく、一般にはあまり知られていません。しかしこの度、カネライトフォーム(XPS断熱材)による基礎外断熱を行うことで、築20年を経過しても中性化率ゼロ、さらに圧縮強度も230~288kgf/cm²(一般的には200~300kgf/cm²)と、ほとんど劣化が見られないことが10年ぐらい前に明らかになりました。


基礎外張り断熱のメリットとしては、
・熱橋(ヒートブリッジ)を防ぐ
・コンクリートを外気から守り、劣化を抑制するといった点が挙げられます。
一方で、デメリットとしては
・白蟻に弱い
・施工難易度が高い
といった課題もあります。

弊社ではこれらの課題を克服するために、基礎の外側に断熱材を張り、連結部には樹脂モルタルを塗り込み密閉性を高めています。さらに、断熱材を白蟻から守るため、配管などの貫通部にステンレスメッシュを張り巡らせ、防蟻対策を施しています。




一般的な防蟻処理は、薬剤の散布や注入による方法が主流です。しかし弊社では薬剤を使用せず、建物そのものの構造で蟻害を防ぐ方法を採用しています。このため、薬剤の揮発や定期的な再散布が不要となり、より健康的に暮らせる住まいが実現します。

この技術は、鹿児島県日置市で20年以上にわたり京都大学との共同実験で実証されてきました。実験は現在も継続中です。

なお、昭和の時代と異なり、地球温暖化の影響で九州にしか生息していなかったイエシロアリの北上が進んでおり、平成15年には東京都稲城市でも生息が確認されています。そのため、従来のヤマトシロアリを前提とした防蟻処理では、十分な効果が得られない可能性があります。


(参考資料)
一般社団法人 建築技術協会 会長・北海道大学 名誉教授 新谷 登

長きにわたり、コツコツと実証研究を積み重ねてきた私たちの家づくり。
一つひとつの“こだわり”が積み上がって、今の品質があります。

これからも私たちは、東京の環境に寄与し、永く安心して住まえる家づくりを続けてまいります。

次回は「木材の乾燥と含水率」についてお話ししたいと思います。


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