すらりとのびる吹抜け、障子に溶け込む陽の光、時間の移ろいとともに表情豊かに変化する室内風景――まるで美術館のような静謐さとミニマルな美しさを纏う、Oさんご夫婦のお住まい。おふたりとも建築関係のお仕事に携わっていたこともあり、「いつかは自分たちで設計した家を建てたい」という想いを、ずっと温めてこられたそうです。「結婚して数年経ったタイミングで、いよいよ本格的に検討を始めました。今の土地を見つけるまでに3年以上かかりましたが、その間じっくりと間取り・デザインを固めていきました」と、あらためて家づくりのエピソードをお話しいただきました。
「とにかく自分たちが思う“カッコいい外観”にしたくて。それを損なわない前提で間取りを考えました。LDKも2階に配置したほうが広くなるのに、形状が変わってしまうということで不採用にするなど、すべて外観デザインありきで設計しました」と、並々ならぬこだわりを明かしてくださったおふたり。建築会社選びも“自分たちの設計した家を建てられるかどうか”で考えられたそうです。「土地探しと並行して住宅展示場に行き、たくさんの建築会社を見学・相談しましたが、自社商品がベースの大手ハウスメーカーでは難しいので、柔軟な対応と施工ができる工務店を希望しました。いくつか候補があった中で、小嶋工務店さんは標準仕様で外断熱の優れた気密・断熱性や高い耐震性など、ハイスペックな住宅性能を確保できる施工力が決め手に。『TOKYO WOOD』を用いた地産地消の取り組みにも共感できましたし、土地探しをサポートしてくれることも心強かったですね」
条件に合った土地との出会いを経て、数年越しの想いがカタチとなったOさん邸。外観とともに大切にされたのは、いっさいの無駄を削ぎ落したシンプルなデザインと、室内の随所に生まれる光と影の演出でした。特にどこよりも長い時間を過ごすLDKは、白を基調とした、余計な装飾のない静かな佇まいに。吹抜けの開放感、凹凸を極力なくした滑らかな水平・垂直ライン、朝から夕暮れまで注がれるやわらかな光が心身をそっと包み込み、日々の疲れを癒し深くくつろげる、特別なリラックススペースに仕上げました。
「LDKは隣家と距離がある北側に配置しましたが、それでも室内は明るく心地よいです。南方向からの光は2階ホールから吹抜けに差し込むのですが、その様子も絵になります」と、満足そうなOさん。「デザインや間取り、設備、インテリアだけではなく、光の入り方やリビングの窓から見える植栽の見え方ひとつまで、すべてイメージ通りになるように設計しました」と、たくさんの資料と細部までぎっしりと作り込まれたプランニングシートを見せてくださった奥様。優しい物腰からは想像できないほど、お住まいへの情熱が伝わってきました。
もちろん意匠性だけではなく、機能性や快適性も熟考。1階はパブリックスペースとなるLDKと、洗面室・脱衣室などのプライベートスペースとをしっかりと切り分けて構成され、ゲストは玄関からそのままLDKへ移動できる動線に。また、キッチンのカウンター収納やパントリー、階段下収納、寝室のウォークインクローゼットなど大型収納を随所に設けたので、片付けもスムーズ&スマートです。「生活感を出したくないことと、埃がたまるのが嫌なので、収納には扉をつけました」と、見映えにも配慮されました。
さらに、ソーラーサーキット工法が標準仕様だったこともメリットに。「当初は機械換気を採用できればくらいに思っていましたが、ソーラーサーキット工法は第1種換気『SC-SVシステム』を搭載し、そのうえ壁内に熱や湿気がこもらない二重通気も備えているのがよかったですね。今の季節(夏)は通常26.5℃設定のエアコン一台で十分涼しいです。まだ住んで間もないので、光熱費がどのくらい節約できるのか、冬は暖かいのかなど、これから体験できるのが楽しみですね」
当社と初めて出会ったときは、「正直ナチュラルテイストが多い小嶋工務店さんでは希望の家を建てるのは難しいのでは…と思っていましたが、好みに近い実例を見学させてもらったり、私たちの家づくりと相性が良く、確かな経験値と腕のある建築士さんや現場監督さんを選んでいただくなど、とても手厚く対応してくれました。おかげで『いい家だなぁ』と日々実感しながら過ごしています」と、理想のお住まいを叶え、笑顔がほころぶOさんご夫婦です。